The Story of Babar

The Story of Babar
Jean De Brunhoff

森で暮らしていた象のババールは、悪いハンターに母親を殺されてしまいます。
何とかハンターの元から逃げ出したババールは、街で親切でお金持ちのお婆さんと出会い、たくさん勉強したおかげで象の王様に選ばれました!

ハンターに母親を殺されてしまった可哀想なババール。だけど、大金持ちのお婆さんに出会って、服を買ってもらい、車を買ってもらい、家庭教師までつけてもらい……。
ババールを探しにきた従姉弟たちにも、さっそく服を着せてしまうババール。車に乗って森に帰ると、口をそろえて、「素敵な服だ、ババールが王様に相応しい!」という象ども。
何だか不愉快。金さえあれば幸せか。今までの文化を否定して、自分の意見を押しつける者が王に相応しいのか。
これを読んで、植民地や奴隷文化の下地を感じたのはわたしだけですかね?


英語自体は、後半の戴冠式あたりに難しい単語がゴロゴロ出てくるものの、案外すらすらと(読み飛ばしても)理解できます。
あまり穿った読み方をしない人ならば、逆転劇として楽しめると思います。


THE 20th Century Children's Book Treasury の中の、YOUNGER 向けの一作です。
邦訳は『おうさまババール(ぞうのババール)』です。色々とシリーズもあるみたいです。