ドリルが苦手。

先日、思いっきり布の寸法を間違って思い出したのですが、昔から算数のドリルが苦手だったんですよね。
ドリルといっても、男子の憧れギュイ〜ンと回る方じゃなくて、反復学習の方。興味がそのまま意欲に直結する人間なので、単純な物事ほどできない子供でした。
大嫌いだった算数ですが、中学で数学となり、因数分解連立方程式が出てきたあたりから、ちょっぴり得意になりました。
そんなある日、数学のヨシオカ先生に呼び出されて、ドギマギ。ヤクザのような風体で、みんなから恐れられている先生でした。


「オイ、どうして呼ばれたのかわかってるか」
「えーと……」
「おめぇ、こないだの数学のテスト覚えてっかよ」
「ハイ。50点満点中49点でした。エヘヘ」
「エヘヘじゃねぇよ。その前もさらにその前も49点だろうが!」
「はぁ」
「しかも、間違ってるのはいつも一問目の簡単な分数の問題だろ!」
「そういえばそうですね」
「どうして10人しかできねぇ問題が解けて、10人しか間違ってねぇ問題が解けねんだ?」
「わ、わかりません」
「数学ってのは、答えがひとつしかないんだぜ。だから満点のヤツはいっぱいいるんだ。一問を間違えただけで、一番にはなれない分野なんだぜ。覚えとけぃ!」
「はぁ」
「オイ、もっとシッカリしてくれよ。オレはよぅ、おめぇがいつかココ一番って時にとんでもないドジを踏むんじゃねぇかって、心配で心配でよぅ」
「す、すみません」


……とても良い先生でした。
多分、この先生だったから、数学が得意になったんだろうなぁ。高校の数学は先生が嫌いで、ガタガタでしたからね。
なお、ヨシオカ先生の心配の通り、今でも単純な足し算で間違っているし、ココ一番って時にドジを踏みまくっております。何も進歩してなくてゴメンよぅ、先生!