世の中不平等。

扶桑武侠傳というTRPGを、初プレイ。
このゲームは、「扶桑武侠演義」とい江戸時代の小説が原作で、アジア系の架空の地「扶桑」を舞台に、超人的な武芸の達人が己の生き様に従って戦います。
キャラクターメイキングがなかなか楽しくて、外見や消せない記憶を賽の目で決めるのが、大いに盛り上がりました。「自分が、親友を、笑いながら殺した」とかね。あ、わたしじゃないですよ。くくっ。
今回、女性キャラが多かったので、わたしはあえて美少年をプレイ。ちょっとボーイズラブちっくに。(死んでしまえ)


このゲームの判定は、トランプと6面ダイスを使います。精神的な行動(内力)がトランプ、肉体的な行動(命力)がダイス、という感じでしょうか。
ヒットポイントは命力で示され、ダメージを受けて命力が減ると、振れるダイスも減っていきます。
内力の強さは、手札の枚数で示されます。この内力を減らすと、命力のダメージを減少する事も可能です。内力が少なくても、悪いという事ばかりではなく、「想い」をためやすくなります。
「想い」というのは、自分や味方のカード判定の時に際限なく追加して使えるカードで、「想い」の数値以下のカードを、想いの数値の枚数まで場にためておけるのです。これは内力と反比例します。
例えば、内力が7(手札が7枚)の人は、2以下のカードを2枚まで場にためる事ができます。内力が2(手札が2枚)の人は、7以下のカードを7枚まで場にためられます。
つまり、「命力が減る→内力で減少する→想いがためやすくなる→判定値が高くなる→攻撃が派手になる」という感じで、終盤になるにつれて盛り上がるようになっているんですね。


他にも、このゲームでは色々と判定値を上げる方法があります。
ひとつめに、「陰陽を貫く」。使用した能力値と同じ陰陽(黒か赤)の札を山札から引くことができれば、その分だけ判定値に上乗せする事ができます。ただし、それが能力値と違う色で、功夫で打ち消す事もできなければ大失敗となり、かなり手痛い事になります。
ふたつめに、「奥義」。これはキャラクターの必殺技で、奥義の指定スートを出した枚数だけ、驚異的な達成値とダメージを与える事になります。奥義に、みんなの想いをつぎ込めば、かなり派手な事になります。
それから、このゲームのもう一つの山場である「生き様を貫く」でしょう。キャラクターにはそれぞれ生き様があり、その生き様に対応したスートがあります。生き様を貫くと宣言すると、生き様のスートが出るまで山札を引き続け、それを全て達成値に足す事ができます。どれくらいの達成値になるかは、運次第ですけどね。


で。
わたしの知る限り、最も強運の男が、ひとつのレジェンドを紡ぎ出しました。


「マスター、生き様を貫きま〜す」
「了解。ハートが出るまで、山札をめくってください」
「J、Q、8、4、K、2、A、あぁ低い、10、7、J……」
「ハートちゃんと入ってるか? 誰ぞカードを改めろ!」
「……9、5、あ、ハート出ちゃった」
──しばし、全員で計算。
「合計、210。21段階成功ですね。ダメージカード21枚ひきます」
「ひかんでええわ!」
「ちなみに、特技を使ってるので、赤カードが出た分だけ6Dでダメージ増えます」
「あらら、カードも出目も走りませんでしたね」
「残念。188ダメージです」


4枚に1枚はハートのはずなのに、20枚近く避け続ける男。すげぇよ、アンタ。
彼とは対照的に、不運で有名な男(その日、風邪をひいて不参加)が生きているのか、みんなで心配してましたよ。
わたしはしみじみ思いましたね。
人間は平等ではない……と。

追記はコチラ。
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