亜愛一郎シリーズ2。

亜愛一郎の転倒 (創元推理文庫)

亜愛一郎の転倒 (創元推理文庫)

短編集の2冊目を読みました。面白いなぁ。
一見すると摩訶不思議な事件を、ちょっとズレた面白い会話を織り交ぜながら、ワケのわからない論理で唸らされる感覚がたまりません。
名前とか性格とか、独特なキャラクターも多いしなぁ。
大体、主人公の亜が一番強烈で「真実に気がつくと白目になる」って……美男子キャラなのに……。
逆転裁判の脚本・ディレクターの巧舟さんがイチオシの推理作家さんだけあって、確かに逆裁テイストはこの辺で育まれたのかも。


1巻の「掘出された童話」にあるお宝探し(?)暗号トリックが結構好きで、暗号を解こうと競う友達との掛け合いも好きです。
暗号をさっさと解いて抜け駆けしようとする亜に手錠をかけて、その鍵に触れないよう、自分のパンツの中のアレに縛り付ける友人。(酷い)
亜は友人が眠りこけると、友人のパンツの中から鍵を取り出して手錠ををはずし、呑気に寝てたり。
……ちょっと!(一応ツッコミ入れておく)
何か狙ってるのかなぁ。わたしの脳が沸いてるだけかもしれませんが。
他にも、毎回必ず出てくる三角形の顔の通りすがりの老婆とか、俺様系な女博士とか、上から読んでも下から読んでも同じ名前の博士とか、漫画っぽいキャラが満載。
20〜30年前の小説ですが、ノリは軽快でいて本格的。今時の若者が読んでも面白いんじゃないかな。
ま、主人公がタクシーの運転手の飲酒運転を大目に見ちゃったりするところに、時代の流れを感じますけどね。今だったらNG間違いなし!