私の大好きな探偵―仁木兄妹の事件簿

昭和30〜50年代に活躍された仁木悦子さんによる、仁木兄妹が活躍するミステリーの傑作選です!
まさか、今になって亡き作者の書籍初収録作品が読めるとは。子供向けの作品とはいえ嬉しいものですね〜。


※以下、掲載作品メモ。

みどりの香炉
書籍初収録作品。当時の『中学生の友』に掲載。まだ中学生の兄妹が、父の友人の家から香炉を盗んだ犯人を見つけ出す。
黄色い花
『粘土の犬』収録。隣家の主人を殺したのは、同居していた家族の中にいる。犯人は、黄色い花が示していた。
灰色の手袋
『粘土の犬』収録。クリーニング屋に強盗が入った。その犯人らしき男を兄・雄太郎が見たらしいのだが……。
赤い痕
『赤い痕』収録。幼い頃に世話になったばあやが住む小さな村で、殺人事件が起こる。容疑者はすぐ見つかるが、雄太郎は彼は犯人ではないと言う。
ただ一つの物語
『東経139度線』収録。病弱なペンフレンドが、悦子の長男に贈った絵本に残した意味とは。


子供の頃の二人から、妹・悦子が主婦になった後の話までを網羅。初見さんから当時を懐かしむ人まで、全ての人にお勧めです。 
「日本のクリスティー」と絶賛された優しく洗練された文章は、今なお色褪せません。
解説も痒い所に手が届く内容で、当時の日本のファッション用語やお金の価値などが表記してあり、若い読者の手助けになると思います。
ちなみに、探偵役の兄・仁木雄太郎は、
元祖・草食系男子!
いや、植物学者なんですけどね。


ただいま、着彩バイト中なので、休憩中とか寝る前とかにちょっとずつ読み進めてます。
さすがに20年ちかく前に読んだ本だから、ほとんど内容は忘れているのだけれど、読み返すと「むかし読んだな!」ってのはわかるものですね。