四畳半神話大系

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

悲観的で鬱々とした大学生の日常の物語である。
あるいは、平行世界を延々と旅する物語である。
遠回しで捻くれた文体に一度挫折し、繰り返しに飽きて再度挫折し、ようやく読破した末に、生涯の悪友と可愛らしい恋人と出会うまでの青春物語であると結論する。


どちらかといえば若者向けで読者を選ぶと思いますが、とにかく読んだ人は多いようなので、読書好きの可愛い女の子と会話が弾むキッカケになるかもしれません。
しかし、それは平行世界の妄想かもしれません。


どうも私は、軽い内容を純文学風の文章で小難しくこねくり回したり、わかりきったことを繰り返し言うような内容があまり得意ではないようです。
西尾維新を読んだ時の挫折感を味わいました。
自分は若者としてはマイノリティ側の人間なのだとは思いますが、みんなが口を揃えて「面白い」というものを一緒に楽しみたいという欲求は人一倍強いため、共感できないという事実は大変悲しいことなのです。
しかし、これが高齢者側のグループに入ると、いきなりマジョリティ側だったりするわけですが、それでいいのかと思わなくもない36歳主婦。微妙なお年頃。


赤川次郎推理小説じゃない」とか「新井素子は文章にすらなっていない」とか、そんな事が言われていた時代もありましたっけ。
きっと新人類の到来の繰り返しで、歴史は塗り替わっていくのでしょうね。