大切な人。

「私、魚座でB型の女の子に弱いんだよね。アンタもやっぱりそうかぁ」
そう言って、もうメチャクチャに甘やかしてくれた先輩。
私は親に褒められた事がない人間で、見返りのない愛情をあれほど注がれたことがなかったから。
どう応えていいのかわからないくらい、嬉しかった。


すごい美人でスタイルが良くて、さばさばしてるけれど情が深くて、嫌味なところは全くなくて。
病気がちなお母様を助けながらも、絵の夢を諦めずに学校に通っていると聞いてました。
本当に憧れの先輩でした。


私が田舎に戻って、すっかり疎遠になっていたけれど、きっと幸せに暮らしていると思っていました。


東京の友達から電話がきて。
先輩が余命1週間と聞いて。
その翌日には息を引き取ったという連絡が来て。


見送った方々から、「すごく綺麗で眠り姫のようだった」と聞きました。
ちょうど亡くなった頃にお見舞いに行った友達は、「綺麗な西日が差してご来光のようだった」と言っていました。
本当に素敵な人だったから、苦しまないうちに神様の元に呼ばれたのかな。


時期的に飛行機の手配もできず、見送れなかったのが何よりも悔しいけれど、みんなの笑顔をこよなく愛していた先輩だから、いつまでも泣いてたら怒られちゃうな、と思う。
まだ小さな娘さんを、たった独りで残していく先輩が一番辛かったんだから。
きちんと生きよう。先輩の分も……。
おやすみなさい、先輩。大好きだよ。