MOTHER日記、その3。

無償の愛は、時に人を傷つける。こんな事なら、君と出会わなければ良かった。
君の墓に刻まれた文字の前で“ぼく”は、ただただ立ちつくした。


……いや、MOTHERの話。


“彼”の家に気がついたのは、マジカントに2度目に訪れた時だったので、「こんな助っ人がいるから、ここら辺は敵が強かったのか!」って、最初は正直、悔しかったんですよ。
でもね、でもね……うわーん!
「わたしを叱って! 散々になじって!」
……そう願っても、みんな優しく微笑んで(いたかどうかは不明だけど)“彼”と同じように“ぼく”について来てくれるんですよ。
わたし、そんなつもりじゃなかった。わたしは“彼”に、そんな事を望んではいなかった。いつの間にか側にいて、“ぼく”の代わりに傷ついて……。


ああ、こちらの気持ちを無視してるから“フライングマン”なの?


それから、とある洞窟に悲観的な男がいるのですが、その男に非情な一言を言わなければ、外に出られないのです。
“ぼく”が言えるのは、“はい/いいえ”だけですが、最後の言葉を伝えるのには、かなり躊躇してしまいました。でも、言わなければイライラする程に堂々巡り。
そして、諦めにも似た“ぼく”の最後の言葉を聞いた男は、淋しそうに姿を消すのです。
ゲームを進めた今でも思います。あの時、わたしにはもっと良い選択肢があったのではないかと。どうにかして彼を励ます事ができたのではないかと……。(でも、できないらしい)


…………。
楽しんでいるのやら、傷ついているのやら。意地悪なゲームですよね。14年前のゲームの話を、今さら熱く語っても。