ST 警視庁科学特捜班

ST 警視庁科学特捜班 (講談社文庫)

ST 警視庁科学特捜班 (講談社文庫)

本屋で「おすすめミステリー」の札が立ってたので買ってみました。
警察ミステリーが好きなんですよねー。
……でも、読み終わって思ったのは、


「先日読んだ“陰陽屋へようこそ”より色モノっぽい」


……って事でした。
いや、嫌いじゃないですけどね、このノリ!


ST――Scientific Taskforce――警視庁科学特捜班のメンバーは以下の通り。
あ、言うまでもなく、架空の部署です。


法医学担当の赤城左門(あかぎ・さもん)。自称・一匹狼のセクシーメンだが、人望があるため、周りに人が絶えないのが悩み。女性恐怖症。
第一科学担当の黒崎勇治(くろさき・ゆうじ)。超嗅覚の持ち主。様々な武術を網羅した寡黙な格闘家だが、先端恐怖症……らしい。
文書鑑定・プロファイリング担当の青山翔(あおやま・しょう)。絶世の美青年だが、「僕、帰っていい?」が決めぜりふ。潔癖性からくる秩序恐怖症。
紅一点・物理担当の結城翠(ゆうき・みどり)。超聴覚の持ち主で、遠くの話し声や、超音波をも聞き分ける。閉所恐怖症で、露出度の高い服を愛用。
第二科学担当の山吹才蔵(やまぶき・さいぞう)。ST唯一の常識人だが、現役の僧侶で法衣や作務衣で現れる。現場で最初にする事は「念仏」。


お前らはゴレンジャーか!


はあはあ、最初の数ページでつい叫んでしまいましたよ。
解説にもそんな事が書かれていたので、みんな思うことは一緒ですね……。


そして、まとまりのさっぱりない彼らを束ねるのが、若干30歳、控えめで思慮深い百合根知久警部。彼がいなければ、協調性のないSTのみなさんは、話を聞いてもらえない(というか、話をする気がない)のです。
警部を含めて彼らの尻を叩くのが、45歳の菊川吾郎警部補。嫌々ながらもSTの実力を認めますが、STに最も欠けている「叩き上げの刑事」ならでは道理や根性や勘の持ち主です。
刑事同士で確執があったり、それでいてチームを組んだり……っていう展開は好きなので、彼ら2人の会話はとても楽しかったです。


物語では、立て続けに起きた外国人女性殺人事件が、マフィアのボスの情婦を狙った連続殺人なのか、複数犯によるものなのか、はたまたそれぞれは全く関係のない事件なのか、その謎を解いていきます。
大活躍なのは、青山君。次点で、翠さん。
黒崎さんは主に暴れていただけで、赤城さんはルミノール反応と繊維の照合が主な仕事。山吹さんに至っては、念仏唱えていただけで、あとは寺社仏閣知識の担当だった気がします。
さすがに、1つの事件で全員を大活躍させるってのは難しいでしょうね。続刊に期待……かな。