密命15、16巻。

無刀―密命・父子鷹〈巻之十五〉 (祥伝社文庫)

無刀―密命・父子鷹〈巻之十五〉 (祥伝社文庫)


密命シリーズ15巻です。
金杉惣三郎は、敵の手から取り戻した次女・結衣と共に、清之助が逗留している大和柳生の地に、迷惑をかけた詫びに出向きます。
ところが、惣三郎の名声を聞きつけた剣豪達が次々と道場に現れ、なかなか江戸に戻ることができません。
そこで、一度で剣術指南が終わるように、「柳生大稽古」を開催することになりますが、その中に尾張の刺客が紛れ込んでいることが発覚します。


惣三郎も清之助も、すでに剣神の域でして、「そより」と動き、竹刀で軽く「ぴしり」とか「ぱしり」とか打つと、相手はガクリと膝から崩れ落ちたり、すごい勢いですっ飛ばされたり、槍が折れたり、刀がひん曲がったりしちゃいます。
ドラゴンボールとかスーパーマンとかで見たことがあるぞ、こんなシーン!!


一方、江戸ではめ組の鍾馗の昇平が、兄貴分を何人も追い抜いて花形の「纏持ち」に昇格するという噂がたち、何者かが昇平を襲い、それを昇平は返り討ちにします。
……が、これ以上武名が上がっては、火消しが本分の昇平のためにならないと、石見道場では昇平の道場通いを禁止します。
惣三郎を「師匠」と慕っていた昇平の道場通いは、ずっと続くような気がしていたので、びっくりしましたね。葛藤を飲み込んで、素直に剣を捨てた昇平の姿は、ちょっとキュンときました!


烏鷺―密命・飛鳥山黒白〈巻之十六〉 (祥伝社文庫)

烏鷺―密命・飛鳥山黒白〈巻之十六〉 (祥伝社文庫)


密命シリーズ16巻です。
惣三郎・結衣の父娘は江戸に向かう道中、何者かに襲われている若い侍・跡部弦太郎と出会います。
その窮地を救った惣三郎について歩き、命を落とすことなく江戸間で戻ることができた弦太郎は、「父と共に礼に伺いたい」と部下をよこします。
ところが、その返書を持った部下を、連続通り魔の凶刃が襲います。
そして、調べが進むうちに、その通り魔の背後には何やらきな臭いものが……。


この巻では、とうとう鍾馗の昇平が、「纏持ちになったら、惣三郎の長女・みわと所帯を持ちたい」と宣言します!
昇平は、幼い頃に両親や兄弟を火事で亡くした、という身上も語られ、みわは「昇平さんが寂しくないように、子供をたくさん作る」と語ります。
惣三郎の娘と昇平の子供は、かなり強くなりそうだなぁ……。
次女の結衣も、跡部弦太郎となんだかいい感じです。こっちも意外とすぐ嫁に行っちゃったりするのかな。
現在、密命シリーズは20巻まで出ているので、すでに惣三郎に孫が何人かいてもおかしくないですね。