週刊石川雅之

週刊 石川雅之 (イブニングKC)

週刊 石川雅之 (イブニングKC)

もやしもん」作者の短編集です。
いやー、面白かったです。
「人斬り龍馬」や「カタリベ」でも物語の巧さに感嘆しておりましたが、話の組み立ては緻密のまま、「もやしもん」のごとく気負いなく描いた短編集。
……ただし、画力は半端じゃないです。
1冊まるまる、スクリーントーンが使われておりません!!
どのページも額に飾っておける美しさですわ……。
コメディあり、ほろりとくる作品あり。話が作り込まれているだけに、何だかギャグすら深いです。


なお、掲載されている作品は、11本。
彼女の告白――息子が三年ぶりに帰ってくるはずが、やってきたのは女だった!
仮面で踊ろう――父の忘れ物の中に、怪しげな仮面が。その使い道は……。
自分を信じた男2――存在感がない男が2人。何をしても、誰にも気づかれない2人は、ある事を決意する。
ただそれだけで――大人の自分と、大人になりきれない自分とのジレンマ。
趣味の時間――胸が好きか、脚の方が良いか、という問答。
WILD BOYS BLUES――殺し屋ジョーが殺し屋を引退して、「主任」と呼ばれている第二の人生。
テレビショウ――インチキ超能力を日本のテレビに売り込みにきた異国の兄妹たちの顛末。
急げ隼丸――戦が起こった。敵国に嫁いだ御館様の娘・千姫を取り戻すため、急げ、急げ隼丸。長話に負けるな!
フランスの国鳥――フランスに行けば一旗揚げる事ができる、と夢見て旅立つニワトリ・ヒヨコ父子のお話。
よかったね――領主様主催の大凧大会に、うっかり大蛸を持って行っちゃった。どうしよう!
バス停――毎朝のラッシュですれ違っているはずなのに、ガラガラのお昼のバス停で初めて話をした2人のお話。