飯島奈美さんの料理本。

ほぼ日刊イトイ新聞での連載に、新レシピを加えた飯島奈美さんの料理の本です。
本屋に売ってなくて、道内だと紀伊国屋くらいでしか取り扱っていないとサイトに書いてあったので、先日札幌まで行って買ってきたのに、その直後にほとんどの本屋で取り扱うようになって、ショックを受けました。
ちくしょー!!
……ま、まあいい。通販は基本的に嫌いなのだ。仕方あるまい。


飯島奈美さんは、映画「カモメ食堂」や「東京タワー」などで活躍しているフードスタイリストさんです。
そして、この本の特徴は、メニューごとに設定があるのです。映画のフードスタイリストって部分を前面に出した感じですね。


例えば、「おとうさんのナポリタン」には、「大学街の喫茶店で食べたなつかしい味を、おとうさんになった主人公が、子供たちに食べさせるためにつくる」という設定があります。
「がんばれお兄ちゃん!のハンバーグ」なら、「お兄ちゃんの受験の日が近くなり、毎日のように家庭教師の先生がやって来る。日曜日も朝からやって来る。そんなおうちで、先生とお兄ちゃんと、弟くんもいっしょに食べるお昼ごはん」という設定。
そういう“ほのぼの”とした感じの家庭の味が、食べる前からジワーっと伝わってくるようで、暖かい気持ちになれます。


あと、読み物として、糸井さんやほぼ日でおなじみの作家さんたちもエッセイを寄せています。
家庭の食事と重なる思いって、みんなが食べるものだけあって、とても共感できるものなんですねぇ。
ただ、よしもとばななさんだけはちょっとアレでしたね。好きなカレー店の店主が次々と交通事故で死ぬ話です。
暖かくなった気持ちが、一気にサーッと冷えたヨ!!
素直に、母親の料理の話でも書いておけば鉄板なのにねぇ。人様の本で、奇をてらうのは良くない!