三月は深き紅の淵を
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/07/02
- メディア: 単行本
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実はこれが初『恩田陸』さんです。なぜか若者向けの青春作家のイメージがあって敬遠していました。
よくレビューに「ファンタジーの要素がうんぬん」って書かれていたからでしょうか。推理小説のコミュニティで名前があがっていたので、今更ながら興味が出て、試しに借りてきました。図書館で試すようになったあたり、私も賢くなりました。
で。
読むのに4日くらいかかりましたが、なかなか面白かったです。
時間がかかった理由のひとつのは、ハードカバーということ。ハードカバーは大きくて速読が難しいのと、重たいので持ち歩いて読むのに不向きなのですよ。
それと、内容的に何度も前に戻って読み直したりしたからです。
この本は、『三月は深き紅の淵を』というタイトルと同名の本を巡る4つの短編。
しかし、短編集でありながら、ひとつの長編でもあります。
第一章でその不思議な本の虜になり、第二章で「そういう事か」と納得。
第三章ともなると最初に語られた内容との繋がりを確信し、第四章で現実との境目がわからなくなってゆくような感覚。
作者の若い頃の作品のようにも錯覚しますが、それも計算されているのでしょう。
章ごとに登場人物も設定もがらりと変わるため、共通点を見つけ出すために何度も前の章を確認し、そのために読破に数日かかりましたが、この本の雰囲気を楽しむためには、本の中での『三月は深き紅の淵を』を読むルールと同じく、「貸すのは一人だけ。そして一晩で読むこと」がこの本の正しい作法かもしれませんね。
そして、作中小説のいくつかには、その後の作品の断片が見られるそうなので、次はそれらを読みたいです。
残りの作品もいつか読める日がくるのか楽しみですね。
こちらは文庫版。
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/07/13
- メディア: 文庫
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作中小説の第一章『黒と茶の幻想』と同名の長編小説。
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/14
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- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/14
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作中第四章『回転木馬』と、作中小説第三章『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』と同じキャラクターが出てくるという長編小説。
- 作者: 恩田陸,笠井潔
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/01/16
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