ドリームバスター1・2

ドリームバスター

ドリームバスター

ドリームバスター2

ドリームバスター2

宮部みゆきのSFファンタジー小説です。
ファンタジーという事で何となく敬遠していたのですが、いざ読み始めてみたら何の抵抗もありませんでした。
図書館への返却期限が今日だったので、こりゃ読み切れないかもと思っていたのに、一気に二冊読めました。さすがはエンターテイナー宮部さん。


事故により精神体となって逃げ出した異世界の囚人が日本人の夢にとりつき、それを捕まえる“ドリームバスター”たちの物語です。
囚人たちは人間の「トラウマ」を足がかりにして取り憑くため、ひとつひとつのミッションが成長物語にもなっており、とても興味深いです。
取り憑かれる者や取り憑く囚人にも個性があって、良い囚人もいれば、死刑囚よりも悪い日本人もいます。ファンタジーながら「人権問題」や「死刑制度」についても考えさせられます。
行方をくらませたリップや、反組織など、異世界の方で積み重ねられている伏線も多く、先にどのような試練が待ちかまえているのか気になりますね。


若い人には行動力のあるシェンが大人っぽく、大人にはシェンの青さがくすぐったく感じるだろうな。
時代を超えて何度も読めるファンタジーだと思います。


ハードカバー版の装画は『十二国記』で著名な山田章博さんで、小説に挿絵があると世界観が壊れた気分に陥る私にとっても満足するものでした。
今度、続きを借りてこよう!


新書版はこちら。

ドリームバスター〈1〉 (TOKUMA NOVELS Edge)

ドリームバスター〈1〉 (TOKUMA NOVELS Edge)

ドリームバスター2 (トクマ・ノベルズEdge)

ドリームバスター2 (トクマ・ノベルズEdge)


漫画版もあるらしい。

ドリームバスター (1) (リュウコミックス)

ドリームバスター (1) (リュウコミックス)