海の底

海の底

海の底

話題の作家ということで、試しに図書館で借りた本。人気があるようで、これしか残ってなかったのです。
いつもここの駄文を読んでいる人ならば知っていると思いますが、私は恋愛要素、グロ描写が苦手です。あり得ない公務員も苦手です。
ま、まさか全ての地雷を踏んでくるとはッ。
貴様ッ、どこの手の者だ!
気が狂いそうだったから、スーパー斜め読みで乗り切りました。


グロ描写を乗り切ったあたりから始まる警察上層部と自衛隊、米軍、そして軍事オタクとの水面下のやり取りはそれなりに面白かったですね。警察小説でよく描かれる組織のなわばり争いを、特撮モノにぶちこんだ感じです。
もしこれが、海自が巨大エビと戦う姿が表紙の電撃文庫だったら、事前に内容も想定できて、心にゆとりができたのに。
そういう話なのですよ。
大量発生した巨大エビと戦ったり喰われたりする中、横須賀の潜水艦の中で海上自衛隊の問題児と女子高生がボーイ・ミーツ・ガール。
ムギャー!(←憤慨)
人が死んで何だかんだやってるそばで、よくそんな気分になれるもんだな!(恋愛小説が嫌いなので錯乱しております。暴言にお気をつけください)
大体、救助した市民に住所とか渡すんじゃねーよ。公務員としてありえねーよ。
いやぁ……これを素直に楽しむには、私は内情知りすぎなんだよね、たぶん。


読後に改めて表紙を眺めて気がつきましたが、よーく見ると表紙の海の写真の上に、潜水艦らしきシルエットが見えます。潜水艦だって思ってみないと見逃すレベルですが。
後から情報収集してみれば『自衛隊シリーズの海上自衛隊編』らしいのですが、一番頑張ってるのは機動隊。潜水艦に閉じこめられた自衛官は主に子守しながら、生理が始まった女の子の一挙一動にあたふたしてましたから。
内容を示していない表紙は、一体何のためにあるんだよ、と言いたい。


せめてエビも描け、エビも。


ちなみに、海の底の文庫版はこちら。

海の底 (角川文庫)

海の底 (角川文庫)


図書館戦争も人から勧められているのだけど、読んでも大丈夫だろうか。すごい不安だ。
読まない方が身のためな気もするけれど、読まないで判断するのも失礼な気もするし。ぐぐぐ。図書館で見かけたら……ハイ……。