遠回りする雛

遠まわりする雛

遠まわりする雛

米澤穂信古典部シリーズ」四作目、短編集。
短編ですが、本編とゆるやかに繋がっているので、本編を先に読んだ方が良いと思います。


ぶっちゃけて言うと、これまで主人公とヒロインのキャラクター性がちょっと苦手で、脇役の里志と摩耶花の印象が薄く、古典部シリーズは米澤氏の作品の中で「ベスト」と言えるシリーズではありませんでした。
ですが、この短編集ではそれぞれ好感度が上がりました。
一言で言えば「嫌よ嫌よも好きのうち」って事かしら。
そして、『あきましておめでとう』のタイトルには笑っちゃいましたね!


以下、若干のネタバレを含むあらすじ。注意。
【やるべきことなら手短に】秘密倶楽部の勧誘と、月光を奏でるピアノ。
【大罪を犯す】数学教師は勘違いをし、えるが怒る。
【正体見たり】窓から見えた首つり死体のようなもの。
【心あたりのある物は】校内放送で呼び出された理屈、そして瓢箪から駒
【あきましておめでとう】おみくじと甘酒による受難。2人のねずみ。
【手作りチョコレート】里志に渡されるはずの摩耶花のチョコレートが盗まれた理由。
【遠回りする雛】ひな祭り中に道路工事が始まり、奉太郎はぼんやりと傘を持つ。