ねらわれた学園

ねらわれた学園 (講談社青い鳥文庫)

ねらわれた学園 (講談社青い鳥文庫)

1973年に刊行された眉村卓氏の名作ジュブナイルSF、覆刻版。正確にいえば覆刻ではなく『復刊』か。
ユリ・ゲラーによる超能力ブームにより何度もドラマ・映画化されましたね!
この青い鳥文庫版では、ブギーポップシリーズで有名な緒方剛志さんの、端正ながらどこかじっとりした絵の雰囲気が物語を盛り上げています。
超能力サスペンスですが、超能力による侵略より、敵・味方双方の「人間の集団心理」の方が恐かった。


これはずいぶん昔の話ではあるものの、テレビやインターネットが発達した今の方が、似たような事が大規模で起きやすくなった気がします。
眉村先生曰く「自分と違う立場から物事を見る」という事の大切さを痛感。
意図的にかいつまんだニュースやネット上のまとめページなど見ると、何となくわかったような気になっちゃいますが、それが全てじゃないのよね……。
クローズな世界では大多数の意見だと思っていても、現実は少数派だったりしますし。かといって、大多数側だからといって必ずしも正しいというわけでもないですよね。
男女の違い、時代の流れや宗教・民族文化なども影響してくると思います。
そういう事を常に心に留めて物事を考えられるようになりたいですね。……と、自戒。