少女漫画家が猫を飼う理由

少女漫画家が猫を飼う理由(わけ)―警視庁幽霊係 (ノン・ノベル)

少女漫画家が猫を飼う理由(わけ)―警視庁幽霊係 (ノン・ノベル)

天野頌子先生作、警視庁幽霊係シリーズ3作目。短編集。
お人好し刑事と美少女幽霊、特殊能力を持つ『特殊捜査室』の面々が織りなすライトミステリー。
仕事の合間に読んでいますが、ひと休みで1話くらい読める感じ。
相変わらずぶっとんだ設定なのにスルリと入ってくる文体で、読む人を問わない仕上がりが好きです。幽霊が出てくるのに、いつも温かい終わり方なのも好み。
中でも『お盆注意報』のドタバタな感じがお気に入り。死後の世界が怖くなくなっちゃいますね。被害者の奥さんの男前っぷりにも惚れました。


以下、ネタバレ含む備忘録。注意。
【ハートの指輪の呪いをこめて】危篤状態の老婦人が持っていた指輪は盗難品だった。入手経路を知るため、物体記憶を読む高島警部に仕事が回ってくるが、なんとその指輪は呪われていた!
【お盆注意報】祖父の七回忌で帰省した柏木警部補は、祖父の幽霊から、妻と子を心配して嘆く若者の幽霊がやかましいから相談にのってやれ、と頼まれる。
【少女漫画家が猫を飼う理由】人気少女漫画家が、滅多刺しで殺されていた。誰もが「彼女はいい人だった」と言う彼女を、殺すほど彼女を恨んでいた人間とは。


美少女幽霊を何十年も幽霊にするのが嫌で、キャラクターには永遠に歳を取らせないことにしたそうですが、このシリーズはちょっとずつキャラクターに成長していって欲しいので、歳はとってもよかった気がします。
そして、爺ちゃん幽霊の再登場を願う!(そこか!)