3月のライオン1〜5巻

初・羽海野チカ先生です。
なかなかの表紙詐欺。4巻が出るまで、まさか「将棋漫画」だとは気がつかなかったです。
しかも、ドタバタコメディと深刻な悩みを行ったり来たり。家族の絆がテーマです。
将棋の勝負シーンは少なめですが、将棋に詳しくないファンの方が多いと思うのでちょうど良いのかな。


3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

早世された村山聖棋士(二海堂君のモデル)が、同じくモデル出演している『月下の棋士』のパロディもあるのが面白かったです。
あかり姉さんの「フクフク」に対する情熱もイイ。あかり姉さんがついていれば、二海堂君は長生きしそうな気がする!


●あらすじ↓
桐山零は幼少期に家族を事故で失い、父の友人である幸田棋士に引き取られ、中学生のうちにプロ棋士となった。
しかし、零が幸田の期待に応えようと努力するほど、幸田の実の姉弟たちとギクシャクしはじめる。
幸田の家を出て一人暮らしをし始めた零は、ひょんな事から下町の三姉妹と出会う。


3月のライオン 2 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 2 (ヤングアニマルコミックス)

香子義姉さんがメチャクチャ歪んでるな。「歪ませたのは自分」という思いが、零をも歪ませている。
だけど、たとえ同じ環境でも、歪まない人だっている。
二海堂君や先生の言葉が、零の心にちゃんと届くといいな。
手の中にある幸せから目を背けないで、将棋を心から楽しんで欲しい。
ラスボスっぽい"宗谷名人"のモデルはやはり、天才・羽生名人だろうか。それはまた、凄まじく険しい道だなぁ。


●あらすじ↓
三姉妹の次女・ひなたの思い人で、プロ野球選手を目指す高橋君と知り合いになった零。
彼がきっかけで、零がプロ棋士であることが、ひなたにもバレてしまう。しかし、その事でひなたも将棋に興味を持つようになる。
一方、幸田の娘・香子が現れ、零の対戦相手の事情を語ってゆく。
相手に引導を渡す度に零は罪悪感に苛まされ、己の中に棲む獣に苦しむのだった。


3月のライオン 3 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 3 (ヤングアニマルコミックス)

後藤棋士はどんだけ天の邪鬼なんだ。素直に、「家族が心配してるだろうから、連れ戻せ」と言えばいいのに。いや、あれがデレるから女は落ちるのか……。
でも、島田さんの方が好きだっ。
やはり、二海堂君の師匠ということで、森信雄棋士がモデルなのだろうか。あの弟子溺愛っぷりは、すごくそれっぽい!


●あらすじ↓
三姉妹の世話になった零は、突きつけられる孤独を追い払うように、目の前の獅子王戦に没頭する。
自分の対戦相手は島田八段。三角(スミス)の対戦相手は、義姉である香子の不倫相手、後藤九段だった。
島田の次に当たる後藤を見据えて調整を重ねる零だったが、前哨戦のつもりだった島田に完膚無きまでに敗れる。
己の未熟さを知った零は、島田の研究会へ入る決意を固めるのだった。


3月のライオン 4 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 4 (ヤングアニマルコミックス)

将棋成分がググッとアップ。ついでに、濃い人間率もアップ。
私自身は「先読み」という思考が出来ない人間なので、囲碁将棋が強い人にものすごく憧れます。
島田八段は日常生活でも膨大な先読みをしてしまうのか。そりゃ胃を痛めるだろうな。
自分の世界に没頭する人間は、人との付き合いが下手な人が多いです。
島田八段も、零を気にかけてくれる学校の先生も、そんな時期を乗り越えてきたからこそ、零を理解してくれているのではないか、と感じました。
あと、おいなりさんが食べたくなりました。


●あらすじ↓
零は義姉の香子と一緒にいる所を三姉妹に見られるが、姉弟だという事実を知らされたあかりは、二人の間に姉弟の絆を全く感じられなかった事でより一層心配になる。
一方、島田八段の研究会に誘われた零は、島田と宗谷名人との対決を側で見守ることとなり、島田の苦しみにプロの厳しさを知る。
そして、島田が故郷に錦を飾れるかどうかの瀬戸際、零はたった一つ、生き残る手筋を見つけるが……。


3月のライオン 5 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 5 (ヤングアニマルコミックス)

学校での生活が焦点。羽生名人は学生プロ棋士として忙しい日々を送っていた頃、「高校に行ったおかげで将棋を嫌いにならずに済んだ」と言っていたそうです。
零にとっても、「将科部」が楽しい高校生活の幕開けになるよう、願ってならない。ラムネ、作りたくなっちゃったな。
もし、この漫画がアニメ化になったら、作中に出てくるお菓子も出して欲しいなぁ。爺ちゃんの和菓子や、隈倉九段オススメケーキとか。
でも、香子サンのせいで朝やゴールデンタイムは無理デスヨネー。


●あらすじ↓
地元への凱旋前に敗北が決定した島田だったが、地元の人間たちは彼を暖かく迎えた。
一方、無事に進級した零は、これまで世話をしてくれていた林田先生と離れることとなる。しかし、零を心配した林田は将棋部の設立を提案し、科学部と合併した将科部が出来上がる。
その頃、友達をかばったせいで虐めに遭うようになったひなた。同じく虐めを経験していた零は、ひなたの強さに救われる思いがするのだった。