それも責任のすり替え。

イラクでの事件について、NGO連合体や東大教官有志が、

自衛隊撤退を早々と拒否し、人質見殺しを宣言した小泉首相側が、人質に責任を転嫁しようとしたのが自己責任論だ」
「邦人保護は政府の当然の義務。イラクを混乱させた米国や追従する日本政府の責任こそ問われるべきだ」
「バッシングで市民を黙らせようとする行為こそテロリズム
「自分たちがやれない危険を冒した人道支援を、人質たちがやろうとしたことへの嫉妬心もある」

……というような声明を出したそうです。新聞を読んで、目が点になりました。
小泉首相は“人質見殺し宣言”なんてしてないよね。悪いのはテロリストなのに、どうして政府の責任になるんだろう。それこそ責任転嫁なのでは。
大体、嫉妬心で国は動きませんって。逆に「ボランティアは嫉妬や羨望の目で見られたくてやってるの?」と勘ぐってしまいますよ。それこそ、ボランティアの方たちに失礼な話だなぁ。


変な例えになりますが、政府が口にしてる“自己責任”とは、自分の負うべき最低限の責任の事です。
「ここは大変危険な道路で横断歩道はありません。渡らない方が良いでしょう」
と、標識がでているにも関わらず、
「いいえ、渡らせていただきます。道路の真ん中で立ち往生している子供がいるからです」
と、無理に道路を横切って跳ねられた、という状況に近い“自己責任”であるわけです。人を助けようとした気持ちは、もちろん尊い。けれど、危険性は事前に充分に分かっていたはずです。
この例の場合、処罰されるのはもちろん車で跳ねた人ですね。そして、世論は「飛び出した人にも問題はあるだろう」「警察に任せるべきだった」とうだうだ言っているわけで(言い方に問題がある人は問題外)、さらに今回のNGOは「いいや、悪いのはこんな所に不必要な道路を作った国だ」と反論しているわけです。


さて、誰が悪いのか。
う〜ん、この場合はスピードを出し過ぎた車(=テロリスト)でしょう、やっぱり。次に問題があるのは、道路の渡り方じゃないですかね。