Millions of Cats

Millions of Cats
Wanda Gag

寂しくて「猫が欲しいわ」と言ったお婆さんのために、お爺さんは猫を探しにでかけます。そして、たどり着いた丘には、地面を埋め尽くすほどの猫が──百、千、万、億──いやいや一兆匹!
どの猫もみんな可愛いので、悩んだお爺さんはみんな連れて帰ってしまいます。
でも、家に帰りつくまでに、通りがかりの池の水を一兆匹の猫たちが全部飲み干してしまったり、丘の草を全部食べて丸坊主にしてしまったり……。連れて帰って本当に大丈夫なの?!

猫たちの騒々しさが、とてもおかしいです。
一兆匹の猫が一斉に、"Mew, mew! Now we are hungry!" と騒ぐところは、想像しただけで怖い。次の瞬間には、丘が丸坊主ですからね!
しかし、お爺さんはもうちょっと現実を見ないと。お婆さんが現実的なツッコミを入れるので、思わず笑っちゃいます。
猫たちが去った後に、お婆さんは一匹の可愛い猫と巡り合えます。「一兆匹の猫より、うちの猫が一番可愛いわ」なんて、ブラックユーモア風のお話ですが、ちゃんとハッピーエンドです。
個人的には、かなり好きな本です。


THE 20th Century Children's Book Treasury の中の、YOUNGER 向けの一作。
字数は多いですが、案外読みやすかったですね。文章にスピード感があって、ドキドキハラハラします!
イラストは白黒で掲載されているのがちょっと残念でした。単行本の方は、三色刷り?
邦題は『100まんびきのねこ』です。