音信不通の友達。

さすがにこの歳になると、何度も経験のある事なのですが――
仲の良かった友達と連絡が途絶えるのは、やはり寂しいものです。


TRPG友達の1人であったY君も今年の頭に本州へ派遣されて以来、音信不通です。
わたしより10歳も年下で、年相応の純真さと、若者離れした円熟した思考と、生まれ持った不運さと、ちょっぴりはかなげな雰囲気を持ち合わせたY君。
ああ、彼は元気なのでしょうか。
また肺に穴をあけて入院してたりしないでしょうか。
他のTRPG友達にボソリとそう言うと、
「大丈夫ですよ。便りのないのはよい便りと言うではないですか。今頃、アメリカ西海岸のベッドの上で、顔には生々しい火傷の痕と表情の見えないサングラスに覆われ、胸毛の生えた逞しい胸板には横一文字の傷、馬鹿デカい銃の手入れをしながら両脇に金髪の美女をはべらせて、元気にしていますよ」
……それはY君じゃない。
「我々が電話しても、『Oh, 誰カラ?』『フ……俺が捨てた過去の亡霊からさ』とか寂しそうに笑って切られますからね。大人になったな、Yちゃん!」
……アメリカ西海岸にいないなら、誤解を解くために早く帰ってきて。


そんな彼は、今日が誕生日。
本州ではネット環境がないと言っていたので、ここは読んでないと思うけれど、24歳の誕生日おめでとう。