残業代ゼロ……。

今、世間で色々と騒ぎになってるホワイトカラー・エグゼンプション
「一定条件下で会社員の残業代をゼロにする」というアレです。
「残業代をゼロに!」というインパクトが大きすぎて、肝心な「一定条件下」ってのが明確に伝わってこないんですよね。今から騒いでも仕方ない気がするなぁ。


以前経理の仕事をやっていた人間としては、今の社会でも部長とか専務とか、下の人間を管轄する立場の人間に残業手当を支払っている会社は少ないと思います。
残業代が出ない代わり、相応しい報酬(月30万〜100万円程度)を支払い、責任をもってノルマを達成してもらう、というシステムになってる所が多いと思います。


つまり今回の案は、能力の低い人には無駄な残業をさせず、能力の高い人間がそれに見合う高い報酬を受け取れるように、ノルマ制にしましょうという事なんだと思う。
「〆切が近い時だけメチャクチャ忙しい!」という仕事でも、毎月安定したお給料が貰えるってことですよ。家庭のある方なら、それだけでも嬉しいと思う。悪い事ばっかりじゃないんですよね。
それに、「ホワイトカラー」というのは肉体労働者ではない「管理職」「事務職」をさす言葉であって、残業代が出ないと死んじゃうような肉体労働な人には、今と大した変化はないと思うなぁ。
大抵の会社で残業代は30分刻みでつくと思いますが、コーヒー飲んで煙草吸ってインターネットしてからタイムカード押して、毎日0.5時間の残業代を稼ぐアホとかも世の中にはいるんですよ。仕事全然できないくせに、大学出てるから給料高い奴とかね。そういう不公平感は減ると思うんですよ。


ただ、このシステムを導入するとしても、その「一定条件下」に値する「導入する職種」と「能力を評価するシステム」、そして最低限確保する休養をしっかり定めてからにしないと、曲解する経営者が出るように思います。
本当の所がまだ伝わってきていないので、この騒ぎに乗じて、このシステムを悪用しようと企んでる人も既にいるかもしれませんね。
今後の展開に注目しています。