鳩笛草

鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで (光文社文庫)

鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで (光文社文庫)

超能力を持った女性をテーマにした、宮部みゆきの短編集。
かなり昔の作品ですが、やっぱりこの人はこういう話を書かせたら上手い、と感じました。


「この人の書く内容は、コバルトとかスニーカーで出ててもおかしくないのに、文春とか新潮で出すところがすごいんだよ。登場人物が普通で、文が上手くて読みやすいから、一般の人でも読めるんだよね」
と、短大時代の先輩が言っていたのですが、なるほど……と頷くことしきり。
ライトノベルと一般文芸の線引きは、ジャンルではなくて、人物描写と文章力にあるんだろうな。
宮部さんはミステリー作家として有名だけど、SFもファンタジーもやってるし、「江戸時代の超能力推理小説なんてアメージングな事もやってるからなぁ。
本来彼女は「ミステリー作家」ではなくて、「活劇作家」なのだと思う。
きっと、その中にミステリーとか超能力とか、様々な要素が含まれているのでしょう。