探偵ガリレオ

ドラマガリレオを、旦那さまが興味深げに見ています。
私は話や演出は好きだけど、メインの女優さんがちょっと苦手なので、見てるよーな見てないよーな……という感じです。


原作がある、という事を、今更ながら本屋で知りました。

探偵ガリレオ (文春文庫)

探偵ガリレオ (文春文庫)

ああ〜、東野圭吾さん……。
実は、有名ではあるものの、それほど熱心に読んではいない作家の一人です。
何冊かは読みましたが。


探偵役でも犯人役でも、キャラクターに情がない(いや、正確に言うならば、感情表現が足りない)ように感じてしまうのです。
文系ではなくて理系というか、製図器具を使って描いた設計図というか、物語ではなくて報告書というか、理詰めのパズルというか、とにかくそういう印象です。
犯人が犯行に及ぶまでの「思い」が足りないんですよね。
まあ、その辺を常にさらりと流すという事は、作者自体、情に左右される事がなく、あまり興味もなければ、解説の必要性も感じていないのでしょう。
そういう理系の人物が嫌いなわけではなく、常に正確な判断を下す人物が頼もしい事も重々承知なのですが……
人の生き死にが計算で終わってしまうと、切ないというか……
殺人という非日常的でデメリットの多い犯行が行われるならば、それに比例しうる膨大な原動力というか、溢れんばかりの悲しみや怒りや利己心がうずまいているはずだ、と思ってしまうわけですね。
私もグダグダうるさいですね。
まあ、早い話が「好み」の問題です。


というわけで、あまり期待はしていなかったのですが……。
読んでみると、作者の持ち味と「理系の大学助教授」というキャラクターの持ち味が見事に一致した事で、理系短編サスペンスとして面白かったです。
先にドラマを見ていたせいで、キャラクターの人間性が補完された事も良かったかもしれません。ドラマの理科実験での謎解きは映像的に面白いし、解りやすいですね。
あと、苦手な女性キャラが原作の方ではいなくて、ラブ要素が一切ないのも、好感度が高いのかも。そのうち出てくるのかなぁ〜。
とりあえず、近いうちに続きを買ってこようと思います。


ところで、主役の湯川助教授は、元々は佐野史郎さんがモデルだったのだそうです。
それが、福山雅治さんになっちゃうとは、随分とドラマは方向性を変えてきましたね。
原作とは、「トリックは同じだけど展開は違う」という事をやったりしてるので、そういう意味でも興味深いです。