マイ・ベスト・ミステリー V

バレンタインデーですね。
先日、札幌まで出た際に「旦那さまと食べよう!」とデカいチョコを購入してあるのですが、まだ体調万全じゃないので、食べられないな。くそー。


マイ・ベスト・ミステリー5 (文春文庫)

マイ・ベスト・ミステリー5 (文春文庫)


鮎川哲也・自薦「人買い伊平治」
 →黒輪土風「六人の容疑者」
「人買い伊平治」は、自分にかけられた濡れ衣を、友人からの手紙で得た情報を元に、遠い異国で推理していく話。
「六人の容疑者」は、殺人事件の現場にいた六人が「可能な手段」を、それぞれ述べていく話。感心した。


泡坂妻夫・自薦「右腕山上空」
 →横溝正史「探偵小説」
「右腕山上空」は既読。手品師でもある作者だからかもしれませんが、何とも奇術的なトリックが大胆です。
「探偵小説」も既読。実際に起きた殺人事件をネタにして、オリジナルの探偵小説を考えていたが……というお話。
どちらも大仕掛けのトリックで、私はこういう話がやはり好きなようです。


北村薫・自薦「ものがたり」
 →木々高太郎「永遠の女囚」
「姉の婿に愛情を抱く妹」という同じ役割配置の2作品。
な、なんか、居心地悪いわ〜。


北森鴻・自薦「邪宗仏」
 →泡坂妻夫「椛山訪雪図」
邪宗仏」は、女性民俗学者・蓮丈那智を探偵役とする、考古学ミステリーシリーズです。すごく面白かった。すぐにでも、このシリーズを頭から全部読みたい!!
「椛山訪雪図」は、一幅の掛け軸に秘められた謎と、それによって解決する一つの殺人事件のお話。展開が見事です。


東野圭吾・自薦「小さな故意の物語」
 →松本清張天城越え
「小さな故意の物語」は、若い男女を巡る、青く、やりきれない事件。
天城越え」は、中学生の頃に読んだ記憶がほのかに……。その頃はお子チャマだったので、この古めの文体と、男女間のドロドロした内容をよく理解してなかったように思う。


山口雅也・自薦「割れた卵のような」
 →夢野久作「卵」
「割れた卵のような」は、「託卵を人間がやるとしたら……」というお話。怖いっ。
「卵」は、夢の中で交わった女から生まれた卵を暖めるうちに、中から子供の声が聞こえはじめた……という幻想怪奇小説


この本は、推理小説っぽい割合が多めなので満足しました。
お気に入り作家が出来たのが大きいな。