桜宵

桜宵 (講談社文庫)

桜宵 (講談社文庫)

北森鴻さんのミステリー短編集を読みました。香菜里屋シリーズの2冊目、花の下にて春死なむ (講談社文庫)の続編です。
香菜里屋というビアバーでは、相変わらず美味しそうな料理と、ちょっとほろ苦い謎が満載です。


「十五周年」
タクシー運転手の日浦は、故郷での馴染みの店から「十五周年記念パーティ」に招かれる。しかし、そこに常連の顔はいなかった。
そのパーティには、隠された思惑があった……。


「桜宵」
病気で亡くなった妻の遺言で、ビアバー「香菜里屋」を訪れた神崎。
マスターの工藤が出した炊き込みご飯が「桜飯」だと教えられ、ようやく亡き妻の思惑を知る……。


「犬のお告げ」
結婚前提で彼女と同棲している男が、リストラされそうだと言う。
しかも、選抜方法が「部長の飼い犬に噛まれた人間」という選び方で……。


「旅人の真実」
香菜里屋に「金色のカクテル」を所望する男が現れる。その男は、様々な店で同じ事を言っているらしい。
マスターの工藤は、友人の経営するバー「香月」を紹介するが、金色のカクテルの完成した翌月、男は死体で発見される……。


「約束」
故郷に帰った日浦の店で香菜里屋のマスター工藤が助っ人をしていたある日、10年前の約束を守ってやってきた1組の男女。
しかし、その2人の胸のうちは大きく違っていた……。


最後の「約束」は、すごく怖い話だった。うわー。
工藤さん、格好良かったです。