インシテミル

インシテミル

インシテミル

アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に代表されるクローズドサークル』。
迎えの船がこない孤島、吹雪の中の山小屋、吊り橋を落とされた崖の上の館など、外界と連絡が途絶えた広義の密室といえばピンとくるでしょうか。


米澤穂信インシテミル』はその中のひとつ、悪趣味なゲームの舞台として用意された『暗鬼館』での七日間です。
この手の話にはつきものの惨劇。そして、理詰めの犯人探し。
痛快愉快だったとは言えませんが、とても面白かったです。
綾辻行人館シリーズが好きな人などには、好まれるのではないでしょうか。


内容については概ね満足でしたが、表紙のお嬢様だけは微妙な気がします。
少なくとも、住む世界の違う美女は絵にしない方が様になりますよね。
そういやこの本で一番の不思議な部分は、誰もお嬢様を疑わないことでした。
年齢よりも子供っぽく振る舞う女には大きく分けて二種類いる。
まず、男の前でだけ子供っぽかったり、裏声を使う女。これは間違いなく腹黒く、女しかいない所では悪口ばっかりだ。
そして、常に子供っぽい女。これは常識がずれてて、悪気もなく人を裏切るからやはり注意!
若い子にデレデレする男を見ると、女は冷笑しながら失格の烙印を押す生き物なんだよね。ぶるぶる。


にしても、読後感がいつも苦いのは、米澤氏の習性なのでしょうか。
犯行の動機や暗鬼館の存在意義など、どうも歯切れの悪い部分もあるので、もしかしたら作者は続編を考えているのかな。
……と思って検索かけてみたら、映画化が決定の記事が見つかりました。
その話を知る前に「映像化したら面白そうだなぁ」と思っていたので、よほど変ないじり方をしなければ、間違いなく面白いはず。
どれどれ?


ミステリーマニアの店員に片平なぎさ、彼氏がすべての女子学生に平山あや神経症気味で無職の男に武田真治、いわくありそうな建築家に北大路欣也、仕切りたがりの研修医に阿部力、人を信じやすいフリーターに藤原竜也、ちょっと空気の読めないOLに綾瀬はるか、思い詰めたwebデザイナー石原さとみ……。


け、結構オリジナル設定あるなぁ。
ホリプロ50周年作品だというので、大コケしないようにお願いしますよ〜。ドキドキ。他にも新人オーディションで決める役もあるそうな。
平山あやはイメージ合ってるな。彼氏は誰になるんだろ。それをオーディションで決めているのかな?
藤原竜也が主人公で、綾瀬はるかがお嬢様かなぁ。犯人はあの人だろうか。他は何となく推察するしかない。まあ、確かに原作でも学生以外は職業を口にしていなかった気もするので、確かにその辺は想像で埋めていくしかないか……。
バトロワ系にならない事を祈る!