ブレイブ・ストーリー

ブレイブ・ストーリー愛蔵版

ブレイブ・ストーリー愛蔵版

宮部みゆきさんの、ファンタジー大作です。
図書館で借りるのに1冊で済むからこの愛蔵版にしたのですが、新聞連載時の挿絵たっぷり、雰囲気ばっちりでした。この重厚な装丁を見ていると、宮部さんは「はてしない物語」を目指したのかも。もし人に贈るならコレがいいなぁ。
1000ページの大作で、四半を越えてようやく物語が始まるのは遅い気もしましたが、冒険譚はとても面白かったです。
ただ、「ゲームの何々みたいな」とか「もう少し大人になったらわかる」という表現が多くて少し興ざめだったかな……。大人を相手にしているのならチープだし、子供を相手にしているのなら上から目線ですよね。
真実も結局のところ最後まで想像に任せられ、苦くて辛くて重い荷物だけが残ってしまいました。


現実かどうかわからない世界にせよ、小学5年生の男の子に憎しみで父親とよく似た男を殺させる(ネタバレにつき反転で伏せる)のは、いくらなんでも重すぎる十字架だよなぁ。


大好きな宮部さんの作品だけれど、残念ながら次に読む日は来ない気がするなぁ。
宮部ファンタジーなら、ドリームバスターの方が面白かったなー。
もし、これが活劇メインのお話だったら感想も変わってきたと思うけれど……。


……ん?
映画や漫画版は重たいところをバッサリ切ってるのか。
ちょっと見てみるべきかな、これは。