花の道は嵐の道―タマの猫又相談所

花の道は嵐の道―タマの猫又相談所 (TEENS’ ENTERTAINMENT)

花の道は嵐の道―タマの猫又相談所 (TEENS’ ENTERTAINMENT)

『警視庁幽霊係』の天野頌子先生著、猫又と気弱少年の華道部ドタバタコメディです。
もうちょっと細かく書くと、華道の家元の息子が断り切れずに華道部に入り、押しの強い茶道部との和室争いに巻き込まれる話。
あまりになさけない主人公に猫又が溜息つきつつ手を貸してやったり……。
ついでに、おそーい初恋を猫又に指摘されてもじもじしたりします。


あああ、内容は中高生向き……なのかもしれませんが、キャラクターが小学生レベルなので、ちょっとツライ。
高校生でベソベソ泣く男ってアリエナイ〜。
中身がのび太なんですよ。いや、あれと一緒にしたら、のび太が可哀想。のび太はお馬鹿でグータラではあるけれど案外前向きだし、けっこうアグレッシブだよね。しずかちゃんが好きだってことははっきりしてるしさ。
展開も唐突で、むりやり青春しました的な内容でノリ切れませんでした。


しかも、タマ(猫又)一人称で物語は進むのですが、主人公は理生なので混乱しやすく、感情移入が難しかったです。
瀬川君がすぐ「おれ」をなではじめるので、「すわっ、彼にはそんな趣味が!」とドギマギ。あ、それは私だけ?(もちろん、おれとは理生ではなくタマのこと)
続編があるならタマと理生で目線チェンジしたりして、感情移入できるように書いて欲しいと思いました。
天野作品は大好物なのですが、これはちょっと微妙だったな。残念。