桂ちづる診療日録の原作。

NHKの時代劇ドラマ『桂ちづる診療日録』を毎週楽しみにしております。
武道も達者な女医・千鶴が、患者の抱える悩みや周りで起こった謎を解決していくお話です。
藤原緋沙子先生の原作があるということだったので、試しに買ってみました!


風光る―藍染袴お匙帖 (双葉文庫)

風光る―藍染袴お匙帖 (双葉文庫)

【第一話 蜻火】白骨死体の検死依頼が千鶴の元に舞い込み、盛土するうちに被害者が明らかになる。
【第二話 花蝋燭】牢の中で子を産み、命を落とした花蝋燭職人の娘を哀れに思い、父親探しをするうちに事件に裏があることを知る。
【第三話 春落葉】鳥もちを使った暴漢が現れたある日、鳥芸の老人と出会う。余命わずかな彼は恩人の子を見守っていると言う。
【第四話 走り雨】弟子のお道がさらわれ、謎の人物の治療を強要される千鶴。後に鐘の音から屋敷をさぐり当てると、他の事件にも関わりがある事を知る。


雁渡し―藍染袴お匙帖 (双葉文庫)

雁渡し―藍染袴お匙帖 (双葉文庫)

【第一話 別れ烏】毒殺された賊が通っていた社でよく見かける女将は、千鶴の受け持つ患者だった。
【第二話 花襦袢】百舌鳥(もず)と呼ばれる少年は、自分に目をかけてくれた夜鷹の仇をつけ狙う。
【第三話 月花恋】島流しとなる女囚が、記憶喪失の情人の身元を調べて欲しいと千鶴に請う。
【第四話 霧雨】千鶴の父は逆恨みによって受けた傷が元で命を落とした。しかし、それは何者かに仕組まれたことだった。


父子雲―藍染袴お匙帖 (双葉文庫)

父子雲―藍染袴お匙帖 (双葉文庫)

【第一話 父子雲】千鶴がシーボルトの元で学ぶ際に世話になった井端が、自害したという。遺族はその責を問われて落ちぶれてゆき、井端の子息は次第にシーボルトを憎むようになる。
【第二話 残り香】かつて酔楽と一度だけ情を交わした女が、子供を連れて現れた。酔楽は晴れて夫婦となるために百両の金を工面しようとするが、千鶴たちは酔楽が女に騙されているのではないかと心配する。


ドラマ版との大きな違いは、千鶴に兄はおらず、芝居小屋絡みのエピソードはない事、千鶴に明らかな敵意を持つ人物がいない事、侍・求馬がいるという事ですね。あ、ドラマ版の千鶴先生はメチャクチャ強いです。
あと、ドラマでは女牢医である事を主題に置いていますが、小説では検死などの「相談役」といった所です。
……とまあ、わりと大きな違いがあるのに、ベースの部分はしっかりそのままなので、ドラマのファンも安心して読めると思います。
千鶴は求馬にほのかな恋心を抱いているようなのですが、確かに好青年ではあるけれど、お家の事情が全く書かれていないという点では現時点で最も謎の人物だなぁと。
続刊でどうなるのか気になるところです。