まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

初読み作家、三浦しをん先生の小説です。
何でも屋を営むバツイチの多田の元へ、元同級生で女に興味のない行天が転がり込み、大掃除からキナ臭い事まで手伝う短編集。


正直、挿絵も設定も言動もよくあるBLっぽいなぁと思いました。
といっても囓った程度の知識なのですが。
あまり接点のなかった男が諸事情により転がり込んできて、お互いの痛い過去が見え隠れするうちに何やかんやでアレになるお話。
おそらく、男子寮で何故か上級生にも同級生にも下級生にも生徒会にも男子教師にもモテモテでチヤホヤされてアレになるのと同じくらいBL的王道です。
すみません、適当に言ってます。
んで、読み終わった後によくよく表紙を見たら、


林檎の穴にタバコを突っ込んだ絵。


うへぇ、伝統的隠喩じゃないか。
「つまり、わざとって事ネ」と腑に落ちちゃいましたよ。
作者が同じキャラで裏同人誌つくっていそうな感じデス……。
面白くないわけではないですけれどね。
ハードボイルドというにはぬるく、推理物にしては謎がない。
言うならば「日常系」、かなぁ。


え、これって直木賞受賞作?!
時代は変わったなー。
ま……考えてみれば、あしたのジョーの力石サンのお葬式をしたり、元祖ライトノベルと言われるソノラマ文庫を読みあさったり、コミケ宇宙戦艦ヤマトの同人誌を出版したりコスプレしてた世代がもう立派な50代、下手したら60代ですからな。
下手したら私が遅れているのかもしれない。
いやでもどうなんだそれは。


まほろ駅前番外地

まほろ駅前番外地

ちなみに、続刊も穴に棒を突っ込んでました。ひぃ。
多田さんが無事かどうか気になります。