出世花

出世花 (祥伝社文庫)

出世花 (祥伝社文庫)

みをつくし料理帖の既刊を読みつくしたので、その他の既刊にも手を出しはじめました。
以前、高田郁先生が漫画原作者時代にも手がけた「葬儀もの」の江戸時代版です。
高田先生の書く登場人物は、つらい事があっても真っ直ぐで素晴らしいです。読んでいて励みになります。


【出世花】は展開がある程度予測はできたものの、題のつけ方がとにかく巧い。【見送り坂暮色】は涙々。口には出せない親子の絆が、とてもあたたかいです。【落合蛍】と【偽り時雨】は捕り物帳仕立てになっていて、この作品もシリーズになればいいな、という気持ちを煽られました。
正念様とお縁の行く先を見てみたいです。二人とも仏門に下ってるから恋バナはあり得ないとは思うのですが、言わなくても心が通じ合っている感じがすごく好きです。


漫画版もあるらしい。
死体を洗うシーンは文章だとかなり汚物まみれですが、漫画でどう描いてるんだろう……。

出世花 (秋田レディースコミックスデラックス)

出世花 (秋田レディースコミックスデラックス)

落合螢―出世花 其之2 (秋田レディースコミックスデラックス)

落合螢―出世花 其之2 (秋田レディースコミックスデラックス)


みをつくし料理帖シリーズが出ているハルキ文庫からも再出版されるようです。

出世花 (ハルキ文庫 た 19-6 時代小説文庫)

出世花 (ハルキ文庫 た 19-6 時代小説文庫)


以下備忘録。
【出世花】無念の死を遂げた父は三昧聖の手で清められ、浄土へと旅立った。お縁と名を変えた娘は気立て良く育ち、そのうち養子縁組の話が持ち上がる。
【落合蛍】髪切りの濡れ衣が棺職人の岩吉にかけられる。しかし、岩吉は己がやったと告白する。
【偽り時雨】女郎から湯灌を願われるお縁。ひょんな事から、不審な服毒死体と遭遇する。
【見送り坂暮色】正念の母の危篤の知らせが届く。しかし、頑として死に目に会おうとしない正念。湯灌の話を引き受けたお縁は、正念に同行を願い出る。